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真っ赤なフルーツソースの苺ジャム

どうして出来るの? 鮮やかな赤い苺ジャム♪

5月も終わりになると、露地物の苺が安く店先に並び、今年も苺ジャムを作る季節になったと思っていたのは、いつの頃までだったのでしょうか…
最近の苺はハウス栽培がほとんどで、旬の5月になると苺は市場に出回ることがなくなりました。
私が、小学校に入学した頃、理科の時間に習った苺の収穫時期は5月…今、どのように表記されているのでしょう。
今の子供達は、野菜や果物の旬が、解らないかもしれませんね。夏の野菜の代表である胡瓜やトマト、茄子は一年中どこでも売られていますから、無理ありません。
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今年も、苺ジャムを沢山作りました。1.2㎏を6~7回、男の料理教室で10㎏調理となると総計、何㎏かしら…
色鮮やかな苺ジャムの作り方を生徒さんに聞かれて、私も衝撃を受けた20年前を思い出しました。

さて、大好物の苺ジャムですが、店先に並ぶ苺ジャムの瓶を見ると、どの有名なメーカーの苺ジャムもどうしてか、みんな黒ずんだ苺がほとんどです。
長い時間、苺とお砂糖を煮詰めて作るから、仕方がないと思っておりましたが、私は20年前あるメーカーの色鮮やかで、真っ赤な苺ジャムを見て衝撃を受けました。
そのジャムは材料表示を見ても、着色料も添加物の使用も見られないのに、どうしてこんなに綺麗な赤い苺ジャムが、できるのかと不思議に思い、調べて見ました。
材料は、苺・グラニュー糖・寒天(海草抽出成分)のみなのです。この苺ジャムは砂糖が40%しか入っていないので、賞味期限が3ヶ月で冷蔵保存でした。
好奇心の強い私は、この苺ジャムを作る工場に見学に行きました。そこで見た作り方の秘密を本邦初公開します。(料理の本には載っていない裏技です・ポイントは2つだけです。)
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私のオリジナルレシピです。
真っ赤な苺ジャム
苺……600g(1パック約300g) グラニュー糖……360g(苺の30%~60%)
レモン汁……1個分(約40cc) アガーor粉寒天……2g(粉寒天約1/2袋分)
白ワイン……100cc・または(レモンリキュールなら50cc・ブランデーなら30cc)

★鍋はステンレス又はホーローの鍋、耐熱ガラスの鍋を使います。それ以外の鍋は、苺やレモンの酸に侵食されて有害な毒素を出す事もありますので注意して下さい。(アルミ鍋や銅の鍋は絶対に使用しないで下さい!)
★甘さを抑えたジュレタイプのジャムです。日持ちさせるには砂糖を80%~100%使用すると長期保存が可能ですが、冷凍保存なら砂糖を増量しなくてもOK!
★保存のビンと蓋は、良く洗ってから煮沸消毒して水気を切って置く。

①苺のへたを包丁で取り除き、水洗いしてしっかり水気を切っておきます。
②鍋に①の苺と、グラニュー糖を入れ混ぜ合わせて10分程置いておく。
③苺の鍋を中火にかけ、沸騰して果汁が出てきたら吹き零れないように、火を少々弱めてアクをすくいながら、木ベラで苺を潰さないように混ぜ、10分程煮てから、白ワインとレモン汁を加えて粉寒天を振り入れ、更に10分~15分位煮詰めるとペクチンが出てトロミがついたら完成。
④火を止めたらすぐに、鍋底を冷水で冷やし(ジャムに水気が入らないよう注意する)粗熱が取れたら、煮沸消毒したビンに詰めてすぐに蓋をする。
⑤ビンに詰めた苺ジャムのビンを、更に冷水に浸けて熱を取り、冷蔵庫又は冷凍庫に入れて手早く冷やすと鮮やかな赤い色の苺ジャムに仕上がる。
★50%以下のグラニュー糖使用のジャムであるのなら、冷凍保存が好ましいです。
★上記の砂糖の分量で、1ヶ月~3ヶ月の冷蔵保存は可能ですが、ジャムを食べる時に濡れたスプーンを入れたり、ビンの蓋を開けっ放しにしておくのはタブーです。カビの繁殖の原因になります。
★パンにつけて食べるのはもちろん、ヨーグルトやケーキのトッピングにしたり、牛乳とミキサーにかけて苺ミルクのドリンクを作ったり、お水で割ってゼラチンを加えてゼリーを作ったり、幅広く活用出来ます。
★ペクチンは食物繊維の一種で、植物の細胞をつなぎあわせる接着剤のようなもの。水に溶け出して、糖や酸と一緒に加熱されることで、ジャムのとろみになる性質。
  ペクチンの多い果物…林檎、レモン、オレンジ等の柑橘類、桃
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秘密公開2つのポイント!!
ポイント① グラニュー糖をまぶしてから、あまり長く置かない事……長時間置くと、苺から色素が出てしまい実が白くなったり、黒ずんでしまう。(30分以上はタブー)

ポイント② 苺を30分以上は、煮ない。煮上がったら、すぐに鍋底を冷まし、粗熱が取れてから瓶に詰めて蓋をし、更に苺ジャムの瓶ごと冷水で完全に冷ます事……長く煮ると、せっかく出たペクチンは破壊され、苺も黒ずんでしまう。熱いまま瓶に詰めて放置すると色彩の鮮やかな、野菜や果物は黒ずんでしまい色が悪くなる。(ほうれん草や枝豆を茹で上げたまま放置すると黒ずんでしまうのと一緒)


セレクション・アガー
成分は主としてカラギナン・ローカストビーンガム・ブドウ糖など。
カラギナンは糖質系で海草(スギノリ)から採れる植物性のもの。海草から採れるので寒天の類のように思いますが、食感はゼラチンと同じ。
ペクチン(不溶性食物繊維)
ペクチンは、あまり熟していないりんごや柑橘類の果皮に含まれる成分で、果物に豊富な食物繊維です。ペクチンは、植物の細胞間の粘着物質で、不溶性と水溶性とがあります。不溶性のペクチンは未熟な果実に含まれており、熟成するにつれて水溶性に変わる特徴があります。
 水溶性ペクチンは血糖値の急な上昇を防ぎ、コレステロールの吸収を抑制する作用があります。糖尿病や高脂血症、動脈硬化、胆石などを防ぎます。一方、不溶性のペクチンは、腸内の有害物質を吸着して排泄させる作用があります。とくに便秘や大腸ガンの予防効果があるとされます。
 ペクチンは、加工食品の添加物や、胃腸薬にも活用されています。
【ペクチンを多く含む食品】
キャベツ、大根、みかん、オレンジ、りんご、柿 他
寒天
寒天の原料は海藻です。紅藻類、特にテングサ・オゴノリが使われています。昔は伊豆産のものが良質とされていましたが、現在では世界各地から海藻が輸入され、様々な物性の寒天が作られています。
寒天の成分のほとんどは食物繊維ですが、それだけにいくら食べても消化器に負担をかけずに体の中を素通りし排泄されます。
そして、この特性が腸にたまった老廃物や、とり過ぎた栄養分を包み込んで、同時に体外に押し出し体の中の大掃除の役目を果たしてくれます。こうして寒天のすぐれた機能を上手に利用すれば、ニキビ・便秘・肥満防止・高血圧予防・大腸ガン予防・糖尿病等に効果的です。

by grumaison | 2011-06-09 01:28 | 魅力の甘いデザート